古い東宝の映画「妖星ゴラス」を観た。私は小学生の頃この映画をテレビで観た記憶があり、ちょっと難しくてあまり面白くない映画と思っていた。大人になってからは逆に荒唐無稽で観る気がしなかった。何せゴラスと名付けられた高密度星を避けるため、南極に建造した噴射装置で地球の軌道を変えようというのだ。しかしである、三十数年振りに観てみたら細部の科学的考証がきっちりしているのに驚いた。VTOL機の噴射口はちゃんと角度を変えて着陸するし(写真右上)、小型カプセルが宇宙船に着艦するときは近くで一旦停止し繋留綱を付けて牽引する(写真左下)などとんでもなく細かいことをやっている。怪獣が出てくる場面は残念だし地球の軌道変更はちょっとやり過ぎの感もあるけど全体的には大人の鑑賞にも耐える作品になっている。
驚くなかれこれは1962年の映画なのだ。怪獣が出て来なかったら、地球の軌道変更などという荒唐無稽な方法でなくゴラスを避けていたなら「2001年宇宙の旅」にも劣らない作品になり得たと思われるのだ。充分でなかったであろう予算と特撮技術でここまでやった本多猪四郎監督にはハードSFファンとして拍手を送りたい。 |
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